肝細胞に脂肪がたまる
脂肪肝とは、肝臓に脂肪が過剰にたまった状態のこと。通常、肝細胞には1?4 %の脂肪が含まれていますが、この割合が10%以上になると、肝細胞の中に「脂肪滴」という泡状のものが現れます。
肝小葉を構成する肝細胞の3分の1以上に脂肪滴が認められるようになると、脂肪肝と診断されます。脂肪肝になると肝臓が大きく腫れ、重さが正常時の1.5?2倍にもなります。脂肪肝のおもな原因は、肥満、アルコールの飲み過ぎ、糖尿病の3 つに分けられます。この場合の「肥満」には、内臓の周りに脂肪がたまる内臓脂肪型肥満も含まれます。見た目がスリムでも、体脂肪率が高い場合は要注意です。
原因を絶てば症状は改善
脂肪肝には、これといった自覚症状がありません。おなかが張る、食欲不振、右上腹部の圧迫感などが起こる場合もありますが、無症状のことがほとんどです。
そのため、健康診断の血液検査の結果から脂肪肝に気づく人が多いようです。脂肪肝の治療の基本は、原因を絶つこと。肥満が原因なら摂取エネルギーを制限し、アルコールが原因なら禁酒または飲酒量を減らします。糖尿病が原因の場合は、糖尿病の治療を行うことで脂肪肝も改善します。
脂肪肝そのものは命に問わる病気ではありませんが、脂肪肝になるような生活習慣は、脂質異常症(高脂血症) などの生活習慣病も引き起こしやすいもの。脂肪肝以外の深刻な病気を予防するためにも、症状の改善・予防に努めましょう。
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