A型肝炎

食べ物を介して感染する

A型肝炎は、A型肝炎ウィルスに感染することによって起こります。A型肝炎ウィルスに感染している人の便の中に排泄されたウィルスが、食べ物や飲み物を通して口に入ることで感染します。

かぜに似た初期症状の後、黄疸がでる

感染後、2?6週間の潜伏期問を経て、38度以上の発熱、全身の倦怠感、筋肉や問節の痛み、食欲不振といった急性肝炎の症状が現れます。

こうした症状は1週間ほどで楽になり、それに続いて皮膚や白目が黄色っぼくなる黄疸が現れます。黄痘は2?4週間ほど続きますが、体内にA型肝炎ウィルスの抗体ができるとおさまり、肝臓の機能も元通りになります。発症した場合は、入院して治療を受けるのが基本。

安静を守ったうえで、点滴によってブドウ糖やビタミンを補給して肝細胞の修復を促します。

一度かかると二度と感染しない

A型肝炎は慢性化することがなく、命に関わるほどの重症になることもほとんどありません。また、一度かかると体内に抗体ができるので、二度と感染しません。

上下水道が整備されていない時代には日本でもよく見られた病気で、50歳以上の日本人のほとんどはA型肝炎ウィルスの抗体をもっているといわれています。感染しても症状が出ないこともあり、かかった覚えがなくても抗体ができているケースも多く見られます。

衛生環境が整った現在の日本でA型肝炎を発病する人の多くが、海外旅行でウィルスに感染しています。東南アジアやアフリカ、中南米などA型肝炎が多発している地域では、こまめに手を洗い、生ものや生水を口にしないことが大切です。

A型肝炎には予防効果の高いワクチンがあるので、こうした地域に長期滞在する場合は、事前にワクチンを接種しておくとよいでしょう。また、月類はA型肝炎ウイルスを貯め込む性質があるといわれており、生がきから感染する例もあります。A型肝炎ウィルスは加熱によって死滅するので、貝類は中まで火を通して食べるようにすると安心です。

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