C型肝炎

血液を介して感染する

C型肝炎は、C型肝炎ウィルスに感染することによって起こります。感染経路によつて、輸血や血液製剤による「輸血後肝炎」と、それ以外の原因による「散発性肝炎」に分けられますが、散発性肝炎のほとんどは、注射針の使い回しが行われていた頃の予防接種などによる血液感染だと考えられています。

B型肝炎ウィルスに比べて感染力が弱いため、セックスによる感染はほとんど見られず、出産時、母親から子どもへの垂直感染が起こる確率も10%未満です。

慢性肝炎に移行し、重症化しやすい

感染後、半月?6カ月の潜伏期問を経て急性肝炎を発症します。A型肝炎などと同様、全身の倦怠感や食欲不振といった症状が1?2週間続いた後、黄疸が現れますが、A型、B型に比べて症状が軽いのが特徴。初期症状がおさまった後に黄痘が出ないことも多く、自覚症状がまったくないことも珍しくありません。

ただしC型肝炎の場合、急性肝炎がおさまった段階で完治するのは約30% 。残り70% は慢性肝炎に移行してしまいます。慢性肝炎になっているのに気づかずに放置してしまうと、肝細胞内でウィルスが増殖を続け、10年以上たってから肝硬変などを引き起こし、さらに肝がんに進行することがあります。

感染に気づいたら早めに治療を受け、症状がおさまった後も定期的に検査を受けることが大切です。急性肝炎の場合はA塑肝炎と同様の治療、慢性肝炎の場合は、安静と食事療法に加えて肝庇護薬やインターフェロンなどの抗ウィルス薬などを投与します。

輸血による感染はほとんどゼロ

日本では1989年から、C型肝炎ウィルスの抗体をもっている人の血液は輸血に用いられていません。1992年にはより精度の高い検査法に切り替えられ、さらに199 9年からは、現在もC型肝炎ウィルスに感染しているかどうかを調べる遺伝子検査も行われるようになりました。そのため、現在では輸血による感染の可能性はほ/とんどなくなっています。

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