B型肝炎

感染経路は2種類

B型肝炎は、B型肝炎ウィルスに感染することによって起こります。感染経路には、感染者の血液や体液に接触して起こる「水平感染」と、出産の際、B型肝炎ウィルスに感染している母親から赤ちゃんに感染する「垂直感染」の2種類があります。

幼い頃の感染は、慢性化の可能性も

成人後の水平感染の場合、70?80% は症状が出ないまま治ってしまいます。20 ?30% は1?6ヶ月の潜伏期間を経て、全身の倦怠感、発熱、頭痛などかぜに似た症状が現れます。初期症状が1?2週間でおさまると黄疸が起こり、2?4週間ほど続きます。垂直感染や3歳頃までの水平感染では、多くの場合、免疫機能が未熟なため、体内にウィルスがすみついてしまいます。

ウィルスは肝細胞内で増殖を続けますが、思春期から30歳頃までに免疫機能が目覚めてウイルスを異物と認識し、攻撃をはじめるために肝炎を発症します。症状の重さは人にょって違い、自覚症状のない軽いものですむこともあれば、急性肝炎と同様の症状が出ることもあります。

ほとんどの場合、短期間で症状がおさまりますが、一部の人は肝機能の異常が長く続く慢性肝炎に移行してしまいます。慢性肝炎と診断された場合は入院して安静を保ち、食事療法と抗ウィルス薬などによる治療を行います。

日常的な接触では感染しない

現在では医療現場での感染防止策が確立されているため、輸血や注射による水平感染の心配はほとんどありません。水平感染が考えられるのは、セックスや感染者の血液が傷口から入り込んだ場合など。

日常的な接触や食器の共用、キスなどで感染することはありません。また、妊娠中の健診では、B型肝炎ウィルスの検査が行われます。たとえ発病していなくても、母親が感染していることがわかった場合は、出生直後の赤ちゃんにワクチンを接種するなどの感染予防措置が義務づけられています。そのため、垂直感染が起こる確率は5%以下となっています。

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