肝臓について(大きさと位置、構造、大量の血液を処理)

肝臓の大きさと位置

肝臓は、人問の体のなかでもっとも大きな臓器です。日本人の成人の場合、肝臓の平均的な重さは約1200?1500グラム、全体量のおよそ50分の1に当たります。肝臓は上腹部のやや右寄り、横隔膜のすぐ下に位置しています。一部が靱帯で横隔膜につながっており、呼吸とともに上下に動きます。大部分が肋骨や胸骨に覆われているため、通常は体の上から触っても肝臓の位置を確認することはできません。

肝臓の構造

肝臓は直角三角形のような形をしており、「右葉」と「左葉」に分かれています。三角形の底辺の側に当たる右葉のほうが左葉より大きく、約4?5倍の重さがあります。右葉と左葉に機能の違いはなく、肝臓全体でひとつの臓器として働いています。肝臓を構成しているのは、およそ100万個もの「肝小葉」という組織です。

肝小葉はほぼ六角柱の形をしており、大きさは直径約1?2 ミリ。中央部を走る中心静脈の周りに、肝細胞が放射状にぎっしり積み重なっています。

大量の血液を処理する仕組み

肝臓には、2本の血管から血液が流れ込んでいます。酸素を含む血液を心臓から運ぶのが「肝動脈」。吸収された栄養素を含む血液を小腸などから運ぶのが「門脈」です。肝動脈と門脈は、それぞれ枝分かれして肝小葉に入り込み、肝小葉の中で合流して「類洞( シヌソソイド)」と呼ばれる肝臓特有の毛細血管になります。

類洞は肝紳胞の問を網の目のように走っており、すべての肝細胞は類洞から酸素と栄養素をとり込んでいます。類洞の血液は、最終的に肝小葉の中心静脈に流れ込みます。そして、すべての中心静脈が集まって1本の肝静脈となり、心臓へとつながっていくのです。肝臓を流れる血液の量は、毎分約1.5リットル。心臓から送り出される血液のおよそ5分の1に当たります。肝臓の仕事は、大量の血液の代謝や処理を短時間のうちに行うことなのです。

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