肝臓の働きその2「糖質の貯蔵・供給」

糖質は体のエネルギー源として働く

糖質は、穀物や砂糖、いも類などに多く含まれる成分。おもに体のエネルギー源として働きます。消化吸収がよいため、体内ですばやくエネルギーに変換されます。食品からとった糖質は、小腸でブドウ糖などに分解され、門脈を通って肝臓へ運ばれます。

ブドウ糖の一部は、そのまま血液を介して体の各部へ送られ、エネルギー源として使われます。そして、すぐに使われないブドウ糖は、肝臓で「グリコーゲン」という物質にかえられ、貯えられます。

肝臓が血糖値をコントロールする

ブドウ糖は、人間が体を維持していくために、なくてはならない成分です。脳をはじめとする神経組織や筋肉はつねにブドウ糖を消費しているため、消費した分を補給し続ける必要があるのです。そのため、血液中にはつねに一定量のブドウ糖が含まれています。

血液に含まれるブドウ糖の量を「血糖値」といいます。血糖値が低くなると、肝臓に貯えられているグリコーゲンが分解されてブドウ糖となり、血液中に放出されます。反対に血糖値が高いときは、肝臓に送り込まれてきたブドウ糖は血液中に送られず、グリコーゲンとして肝臓に貯えられるのです。こうした肝臓の働きによって、血糖値はつねに一定に保たれています。

糖質のとり過ぎは肥満を招く

ただし、肝臓に貯蔵できるグリコーゲンの量には限界があります。グリコーゲンが増え過ぎると、肝臓に送られてきたブドウ糖は、中性脂肪として皮下や内臓の周りにある脂肪組織に貯えられます。体内のエネルギーが不足し、肝臓に貯えられているグリコーゲンだけでは足りない場合、中性脂肪は肝臓で分解されてブドウ糖となり、エネルギー源として体の各部に送られます。

ただしエネルギーが不足することがないと、皮下や内臓の周りに脂肪がたまったままになります。そのため、糖質のとり過ぎは肥満や脂肪肝(肝臓に脂肪がたまり過ぎる病気) を引き起こす原因となることがあります。

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