肝臓の主な働き(代謝、解毒、胆汁生成)

肝臓は体内の化学工場

肝臓は、生命の維持に必要なさまざまな仕事を行っています。その多くは、肝細胞に含まれる酵素を利用した化学反応によるもの。複雑な仕事を短時間にこなすことから、肝臓は「体内の化学工場」などと呼ばれることもあります。5 0 0種以上にのぼるといわれている肝臓の機能は、その日的から、大きく「代謝」「解毒」「胆汁の生成」の3種類に分けることができます。

エネルギーを作り出す「代謝」

「代謝」とは、食べ物からとった栄養素をエネルギーにかえる働きのこと。食べ物は胃や腸で消化・吸収されて血液の中に入り、門脈を通って肝臓へ運ばれていきます。でも、吸収された成分の中には、そのままでは体内で利用することができないものもあるため、肝臓内でさまざまな形に分解され、体内で使いやすい形に合成されるのです。こうしてできた物質はいったん肝臓内に貯蔵され、必要に応じて体の各部に送られて いきます。

有害物質を無害化する「解毒」

「解毒」とは、体にとって有害なものを分解して害のないものにかえたり、体の外へ出したりすること。有害物質には、アルコールや薬物のように食べたり飲んだりすることで体内に入るものと、消化・吸収の際に発生するアンモニアのように体内で発生するものがあります。こうした有害物質も栄養素と一緒に血液中に吸収されてしまいますが、肝臓で無害化され、排泄物や血液の中に排出されます。

脂質の消化を助ける「胆汁の生成」

「胆汁」は、消化液の一種。肝臓では1日におよそ500?800ミリリットルの胆汁が作られています。胆汁は肝臓の下にある胆のうに送られていったん貯蔵され、必要に応じて十二指腸へ送られていきます。胆汁は、脂肪を消化・吸収する際に必要な成分。同時に、脂溶性ビタミンの吸収に欠かせないものでもあります。また、肝臓の解毒作用と連動して、体に必要のないものを排泄する働きも助けています。

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