高エネルギー・高たんばくにこだわらない
肝臓を守る食生活の基本は、栄養のバランスのとれた食事をすること。以前は肝臓病の食事療法といえば「高エネルギー・高たんばく」とされており、肝臓の機能を回復させるためには大量のエネルギーとたんばく質が必要と考えられていました。でも、現代の食事は栄養が豊富になっているため、普通に食事をしていればエネルギーもたんばく質も十分。
むしろエネルギーのとり過ぎに気をつける必要があります。とくに脂質と糖質の摂取量が多過ぎると、肝臓にも脂肪がたまって脂肪肝を引き起こす可能性があるので要注意です。
不足しがちなビタミンをたっぷりと
肝機能が弱まっているとき、意識的にとりたいのがビタミン類。ビタミン自体はエネルギー源になりませんが、肝臓でたんばく質・糖質・脂質の代謝を行う際に欠かせない栄養素です。肝臓にはビタミンA、D、Eなどを貯えておき、体内で役立つ形に作りかえて体の各部に送り出す働きがあります。
でも肝機能が弱まると、ビタミンを貯蔵したり、分解・合成を行ったりする能力も低下してしまうのです。体内のビタミンが不足すると、肝臓での栄養素の代謝がスムーズに進まなくなり、体調不良を招きます。肝臓の機能を維持するためには、食事からビタミンをたっぷり補給することが大切です。
1日3食きちんと食べる
肝臓を健康に保つためには、食事の内容のほか、食べ方にも気をつける必要があります。エネルギーの代謝をつかさどる肝臓は、食事のリズムに合わせて働いています。そのため、不規則な食事は体のリズムを乱し、肝臓にダメージを与えます。
食事は1日3回、なるべく決まった時間にとるのが基本。1日の活動に備え、朝食は炭水化物を中心にしっかりとりましょう。朝食抜きだと体内のエネルギー源が不足し、肝臓に負担をかけてしまいます。食後の活動量が少ないことを考え、夕食は消化のよいものを軽めに。肥満予防のためにも寝る3時間前までに食べるようにしましょう。
朝食抜きは肝臓に悪影響と言われる理由がここにあります。
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