賢く摂りたい栄養素「脂肪」

過剰な脂賞は肥満・脂肪肝の原因に

エネルギー源となる脂質は体に欠かせない栄養素。たんばく質や糖質を効率よく代謝したり、ビタミンA、D、Eといった脂溶性ビタミンを吸収したりするためにも、適量の脂質をとる必要があります。ただし、脂質のエネルギーは、たんばく質や糖質の2倍以上。たくさんとり過ぎるとエネルギーとして使い切れず、余った脂質が皮下や内臓の周りにある脂肪組織に貯えられてしまいます。体内に貯蔵された脂肪は、体がエネルギー不足になったときに使われます。でもエネルギーが不足することがないと、そのまま蓄積され、肥満や脂肪肝のもとになります。

食品に含まれる脂質にも注意

脂質をとり過ぎないようにするためには、調理に使う抽だけでなく、食品に含まれる脂質にも気をつけなければなりません。

たとえば肉類は、たんぱく質としては優秀ですが、部位によってはかなりの量の脂質も含まれています。肉類に含まれる脂質は「飽和脂肪酸」と呼ばれ、コレステロール値を上げる作用があります。

肝臓病の予防・改善のためには、牛肉・豚肉なら赤身を、とり肉ならささ身や胸肉を選ぶのが正解。脂身が多い肉を使う場合は、蒸す、ゆでる、網焼きなど、できるだけ抽を使わない調理法を工夫しましょう。

肝臓の健康が気になる場合、脂質はコレステロール値を下げる働きのある「不飽和脂肪酸」を中心に、適量をとるのが理想です。不飽和脂肪酸を多く含むものには、オリーブ抽、ごま抽、サラダ油といった植物性の抽のほか、青背の魚などに豊富なIPAやDHAなどがあります。オリーブ油は便秘予防にも効果的です。

IPAやDHAには、肝臓で合成される中性脂肪を減らす働きもあります。また食用油の中には、「体脂肪がつきにくい」などの効果を認められ、「特定保健用食品」の指定を受けているものも。こうした抽を毎日の食事作りにとり入れるのもよい方法です。また、脂質は古くなると酸化し、体に有害な過酸化脂質が発生してしまいます。脂質を多く含む魚は新鮮なものを選び、食用油も早めに使い切りましょう。

肝臓強化のポイントも参考になります。

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