魚を使い切る

皮はパリッと焼いておつまみに!タイのウロコは軽く素揚げしてトッピングの材料にするのがいい。

新鮮さが命の魚。スーパーの安売りで買ってはみたものの、調理する時間がとれなくて結局捨ててしまった...。こうした経験は誰にでもあると思います。せっかく買ったのですから、どうせならおいしく食べ切りたいものですね。

そこで、この項では魚を使い切るための賢いワザを解説したいと思います。なお、魚といっても多くの種類がありますので、ここではなるべくべーシックな方法に絞って紹介していきます。

まず、新鮮な魚を選ぶポイントは、目が黒く澄んでいて、体がピンと張っているもの。特に目の部分は白濁が進むほど水揚げしてから時間が経っています。新鮮な魚を買ってきたら、すぐに食べるもの以外は手を入れておきましょう。大きめの魚は生のまま保存するより、切り身にして味噌などで味付けしてから冷凍保存します。すると中までよく味がしみておいしくいただけますし、生姜などを加えて保存袋に入れて冷凍すると1ヶ月近く持ちます。

イワシなどを買ったときは、オリーブオイル漬けがおすすめです。作り方は、内臓を取り除き、10% の塩水に2時間くらい漬けておきます。次によく水気を拭き取り、フライパンに並べてオリーブオイルをひたひたになるように注ぎます。そのまま弱火で10?〜15分火にかけたら、煮沸消毒した保存瓶に詰め、熱いうちに蓋をします。

これで「自家製オイルサーディン」の出来上がり。開封しなければ冷蔵蔵で保管して1ヶ月近く持ちますが、できれば1週間くらいで食べ切ったほうがおいしくいただけます。

一方、特売などで大量の魚を買ったときは、自家製の干物を作ってしまうのも手です。作り方は、

  1. 魚の身を開いて、3〜?4% 程度の塩水に途中表裏を逆にしながら30分程度浸します
  2. 水を汲んだボウルの中で軽く洗います。
  3. 水気をよく拭き、天日干しします(冷蔵庫の中で乾燥させても作れますし、市販の脱水シートを使うとより早く完成します)。
  4. 表面が乾いたら出来上がり。完成したら1枚ずつラップにくるんで、保存袋に入れて冷凍庫で3 ?4週間は保存可能です。

ベランダでも干せますし、いつでも好きなときに食べられるのは楽しみ。何よりも、「自家製」の干物ですから、おいしさも倍増です。お客さんが来るときに合わせてつくるのもいいでしょう。

そのほか、サケなどは焼き網やフライパンなどで焼いてフレーク状にして保存可能。フレーク状にしたものは煮沸消毒した小瓶に分けて蓋を開けたまま、レンジで1?2分温め、熱々のうちに蓋を閉め、冷蔵庫で保存すると1週間?10日くらいは保存可能です。ただし、開封してしまったら早めに食べることを心がけましょう。

生ごみを出さない魚の調理方法を意識する

よく魚は頭から尾まで食べるのがいいと言われます。でも、実際は魚を1 匹買ってもおいしい身の部分しか食べず、生ゴミを出してしまう人が多いのではないでしょうか。

でも、魚はちょっとした工夫で、生ゴミを出さずにおいしく全部いただけます。せっかくの海や川からのいただきものですし、エコの観点からもきれいにいただくことを提案したいと思います。

まずは、いちばん捨てられる可能性の高いのは皮。魚は好きだけど皮はぬるぬるしているうえ、油っぼくてあまり好きではないとよく開きます。ですが、皮にはお肌にいいコラーゲンや、ビタミンB2が豊富に含まれています。捨てるのではなく、おいしいおつまみにして食べてしまいましょう。

作り方も焼くだけといたって簡単です。少し塩味が付いていますが、さらに抹茶塩などを振りかけて食べると抹茶に含まれているビタミンC がコラーゲンの吸収をよくしてくれます。もし残ったら、細かく砕いておいてふりかけとしてストックしておけば、ご飯にかけていつでも食べられます。

丸まらない魚の焼き方

まず、フライパンに皮の外側を下にして置きます。その上にアルミホイルをのせ、お水を入れた鍋かやかんをのせて焼きます。焼き色が付いて皮がパリッとしたら、皮を裏がえして、同じようにアルミホイル、鍋かやかんをのせて焼きます。ふつう、皮は丸まってしまって焼きにくいのですが、こうやつて焼けば/くリッと仕上がり、コラーゲンたっぷりのおつまみの完成です。切って並べればスティックとして食べやすくなります。

一方、3枚におろした魚の骨や頭もダシを取れます。70度以下になってしまうと生臭みが残ってしまうので、沸騰した中に魚の骨や頭を入れて5?6分乗出せば魚のエキスがしみ出たいいダシが取れます。

なお、頭の部分はあごの下の部分に切り込みを入れて開き、焼き網かフライパンで焼いてからダシを取ると、より臭みがなくなります。お味檜汁や煮物に使用するとダシが効いておいしくなります。さらにダシを取り終わった濡と書は油で掃げて軽く塩を振り、おせんべいとしていただきます。

細かくすり鉢ですれば、皮と同じようにふりかけとして食べられます。昨今はカルシウム不足で骨租軽症予備軍が多いので、頭や骨を積極的に摂るようにしたいものです。

そのほか、魚のウロコも捨てられることの多い部位ですが、タイを料理したあとに残るウロコは軽く素揚げしていただきます。塩を振ってフレークやトッピングとして有効に使っています。読者の皆さんもぜひ工夫をして魚を一匹丸ごと食べる方法を編み出してください。体にいいうえ、環境保護にも貢献できますよ!

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