かぼちゃを使い切る

種はビールのつまみに、ワタはスープや妙め物、皮は天ぶらやチップに

煮物からデザートまで大活躍な野菜といえばカボチャ。その甘くてクリーミーな味は特に女性からの人気絶大です。 ところで、カボチャは果肉の部分しか食べられないと思っている人が多いのでは?

でも、それは大きな誤解です。これまで捨てていた種、ワタも含め、カボチャはすべて丸ごとおいしく食べられる無駄のない野菜なのです。

まず、種はピールに合うヘルシーおつまみとして食べられます。種をさっと洗ったら、2?日干し、乾燥したなと思ったらまわりの白い皮を取り除きます(少し固いですが、皮付きでもおいしく食べられます)。

いよいよ調理ですが、こちらもいたって簡単。オリーブオイルを入れたフライパンで軽く妙ります。少し膨んできたところで塩を振ればおつまみの完成です。しかも、種がすごいのはビタミンA、B1、B2、E、ナイアシン、亜鉛、マンガン、鉄、カリウムなどが豊富なうえ、ダイエット中の方に有効だといわれているオメガ3脂肪酸が含まれていること。オメガ3脂肪酸が豊富なものには、サルバチア(チアシード)もあります。

コレステロール値の上昇を抑制する働きがあるうえ、肝機能の向上にも有効だといわれていますので、お酒好きの方にぴったりのおつまみなのです。

続いてワタ。この部分にはガンの予防効果が高いβ-カロテンが果肉の部分の約5倍含まれています。細かく刻んで炒め物に入れたり、スープに加えたり、カレーに足すと健康に良いうえ、甘味も数倍アップ。ただし、注意点として、ワタはいちばん傷みやすいので、買ったらなるべくすぐに使うようにしてください。

さらに皮の部分。ポタージュなどを作った後に、皮だけが残ってしまうことがありますが、皮にもカロテンをはじめセレンやフェノールといった栄養成分が豊富に含まれていますので、私の場合は、キンピラにしたり、かりんとうにしたり、あるいは天ぶら、かき持げ、炒め物、チップスなどにしておいしく食べています。

以上のように、これまで捨てていた種、ワタ、皮がサプリメント並みのパワーを持っていたことはご存じだったでしょうか? 実際、果実以外の部分のほうが栄養価は高いのです。健康や節約のためにもカボチャはぜひ無駄なく使い切りましょう。

カボチャはルテインも豊富ですので目が疲れやすい、疲れやすいお仕事をしている(パソコン操作が長時間になる)などの方は積極的に摂りたい食材です。

カボチャを購入するときのポイントは、皮が固く色が濃くて色むらがないもの。さらに大きさのわりにずっしりと重いものを選ぶと長くおいしく食べられます。

カボチャはカット前であれば常温保存でOK 。新聞紙に包んで最適しのいい冷暗所に置いておけば2?3ヶ月は栄養素を損なわずに食べられます。

逆に一度包丁を入れたら、種とワタの部分から傷みはじめるのでこれらを取り除き、ラップをして冷載庫に保存します。冷凍する場合は、好みの大きさに切り、レンジで少し固めに加熱しておきます(100グラムあたり1分程度)。冷めたら保存袋に入れて冷凍庫に。

こちらも2?3ヶ月はおいしくいただけます。最後にカボチャの煮物をするときに。鍋に切ったカボチャを入れ、調味料として加える砂糖を振りかけたら、すぐに煮込まず、1時間程度置いておきます。すると砂糖の脱水効果が作用して、余分な水分がカボチャからしみ出てきます。結果、甘味が浸透し、ほくほくしたおいしいカボチャの煮物が完成します。煮崩れもしにくくなるため見た目も絡麗に仕上がります。

関連ページ