ヨーグルトはインスリンの分泌を促進し食後の血糖値を下げる働きがある 食前に食べよ!

乳清たんぱくがインスリンの分泌を促す

と同様に、食べたものが胃から腸へと送られるスピードを遅らせる食べものがあります。それは、ヨーグルトです。そもそも乳製品に含まれる乳持たんばくには、小腸から胱離されるインクレチンというホルモンを増やす働きがあります。

インクレチンには、インスリンの分泌を促したり、食欲を抑えたりする働きがあるので、食後血糖値の急上昇(食後高血糖)を防いでくれるのです。ある実験では、食事の前に牛乳なら100ml、ヨーグルトなら90g程度とれば、血糖値の上昇が30?40%抑えられたといいます。

これは、糖尿病の患者さんが服用する血糖降下剤と大差ない働きといえます。また、興味深いことに、糖尿病の治療薬であるDPP?4 阻害薬(インクレチン問適薬)は、乳製品の摂取が多い人ほどよく効くという報告もあります。

ちなみに、ヨーグルトを放置しておくと、液体が分離してきますが、この液体をホエイ(乳清)といいます。乳持たんばくは、このホエイにたくさん含まれているので、捨てずに全部食べるようにしましょう。

ヨーグルトは食事のたびにとるようにすれば、食後血糖値を下げることができます。とるタイミングについては、食事の南が効果的なようです。オーストラリアのある研究グループの報告によれば、ヨーグルトに含まれるホエイを食事の前に食べると、インクレチンの分泌が促され、食後血糖値の上昇が抑えられたそうです。

ヨーグルLrは、1回に90g程度をとるようにします。できれば、砂糖や乳脂肪のない「脱脂無糖」タイプを選ぶようにしましょう。ヨーグルトのほかに、生クリームやチーズでも同じ効果が期待できますが、乳脂肪分が多く、とりすぎるとカロリー過多になるので注意が必要です。

なお、ヨーグルトの嫌いな人は、シチューに入れたり、料理の隠し味にしたりしてとるのもいいでしょう。この場合、食前とはなりませんが、乳持たんばくの働きは十分に得られるはずです。糖尿病は、食事が大きく問係している生活習慣病です。

ここで紆介したように、毎日の食事にひと工夫、ひと手問を加えるだけで、意外と簡単に高い血糖値を下げたり、低く安定させたりできるのです。今すぐにできることを1つ1つ積み重ねて、糖尿病の予防・改善、ひいては合併症の予防に努めてください。

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