あなたは、お医者さんによって、してくれる診察の順番に微妙な違いがあることに気づいたことはないでしょうか?
いつもかかりつけのお医者さんと違ったりすると、特に不安を覚えがちなところでもあります。
たとえば、まず最初に舌を出してください」というお医者さんがいる。舌の痛みを訴えたわけでもないのに、あれは何を診ているのでしょうか。
実は、舌だけでは何もわからない。よっぽど荒れていたり、色が真っ白でケバ立っていたりすれば話は別ですが、舌だけで病気を特定できるようなケースはまずないといっていいでしょう。と聞くと医者の診察方法って、いい加減だな」と、不安に思うだろうが、そういうわけではありません。
患者に神妙にべロを出させるお医者さんは、診察の最初の段階です。患者の顔色を見るのと同様に、ごく大まかな診察のひとつとして舌を見るのです。
いってみれば「これから診察するよ」というウォーミングアップに近い。この時点で、明らかに異常があれば話が早い、というぐらいのものです。
また、同じように、はじめに首を両手でさわるお医者さんもいます。こういうお医者さんはカン良く、さらに一歩ふみ込んだ診察から始めてくれている、ともいえるかもしれません。
たとえば、顔色や問診の段階ですでに「風邪だな」と見当がつくと、首の両脇のリンパ腺の腫れ具合を見ます。
診察には視診、問診、触診、聴診、打診とだいたいの順番があるのですが、その手順はお医者さんによって少しずつ違います。
しかし、いずれにせよ、そうしたいくつかの診察方法を重ね合わせて、少しずつ病名をしぼり込んでいくのです。
というわけで、結論をいえば、カンのよしあしはあるかもしれないが、そのお医者さんなりに診察の流儀、クセによるところが大きいということです。そんなことよりも、最終的に的確な診断、処置をしてくれたかで今後のおつき合いを考えるべきでしょう。
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