内科と外科の分かれ道

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胃が痛い」というとき、あなたはいったい病院の何科に行くだろうか。「やっぱり内科だろうなあ」もし外科に行けば「ちょっと見てみましょうか」と、切らなくてもいいおなかを即手術、なんてことにならないだろうか?

事実、同じ病気の患者が内科に行くのと外科に行くのとではまったく治療法が違うというケースもあります。

肝ガンの場合などです。たとえば、内科で今主流になっているのが「エタノール注入療法」というもの。これはガンの部分にアルコールを注入して固める治療法です。また、肝臓の動脈に抗ガン剤を注入し、さらそくせんにガンのできた動脈をふさいでしまう、肝動脈塞栓療法も消化器内科で行い、かなりの効果を上げています。

同様に、外科の場合も、ほんの10年前までは手術での肝臓の摘出は非常に難しいとされていたが、現在はそれも可能になりました。

しかし、こうした場合も患者が外科に行ったら手術、内科なら内科治療だけ、ということにはならないのです。

お医者さんは十分な検査をした上で、その患者さんに最も適した治療方法を選択する義務があります。だから最初に扉をたたいた所が内科だろうが、外科だろうが、患者の症状によって「外科へ」「内科へ」と引き継がれることは当然あります。外科と内科は、ときに競い合う形で治療法を開発してきたのは確かだが、最近ではより総合的な判断が重視されてきてもいます。

ちなみに、診療科目というのは病院の自由意思で掲げてもいいことになっています。もちろん、世相にこびて「肥満解消料」「女性専科」などと勝手な科目をつくるわけにはいかないのですが、厚生省で決められた規定の中でなら、お医者さんは自分の看板を自由に掲げられます。

昨日まで小児科医をしていたのに、今日から突然産婦人科医に、なんてこともできるわけです。要するに、国家試験に合格した医師は病気全般について、ひととおりの知識は身につけているということになっているのです。だから患者の方も診療科目にこだわらず、気楽に病院を訪れればいい。

これはよくある例だが、内科に行って「頭が痛い」といったって、診断や治療法によって必要に応じ、たとえば脳神経外科といった専門医を紹介してくれるはずです。