カルテの右を書き忘れるの意味

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カルテの右を書き忘れるな」ある研修医によれば、そう教授に教えられたそうです。では、カルテの右側には、いったいどんな秘密が隠されているのだろうでしょうか。

もしかして患者にもいえない病名もしくは治療方法とか?ふつうカルテの右側には検査や手術方法を書き、左側には症状や原因などを書き込みます。右は医者にしてみれば保険点数の請求に直接関係する事項、左はいわば資料や研究用。

つまり、左は書き忘れても、即、お金につながる右だけはしっかり書いておくように、という先輩たちの温かい(?)指導なのです。ただし、これは一例であって、実はカルテの書き方はマニュアルがあるわけではないので、病院によってさまざまです。

また、患者によっては検査の数が多すぎて、血液、尿、X線、超音波といった具合に左側から書き連ね、すき間にチョコッと病名を書く、なんていう場合もあります。

ちなみにカルテのどこかに大きく「禁」、あるいは「適」と書かれていたら、これは医学用語でいう「適応」と「禁忌」のこと。こちらは字のもつイメージから、意味深な感じがします。

実はそのとおり。たとえば、患者の治療に合う薬名には適マークをカルテにつけ、今後も積極的に投与していい、とする。逆に「禁」マークは、アレルギーがあって絶対に投与してはならない薬名や、効果の上がらない検査、しない方がいい手術などにつけられる。だれが見てもまちがいのないように赤マジックや傍線で印をつけてあります。

医療には多かれ少なかれリスクがともなうもの。ひとつの治療行為を、その患者にやってもいいか、それともやらない方がいいのかの判断を医者はつねに迫られます。

われわれは、たかがカルテと思いがちだが、ときとしてその1枚の紙切れの中に、患者のすべてが記されているともいえるのです。